食事の味は、味覚(甘味、酸味、苦味、塩味、うま味)だけでなく、嗅覚によっても大きく影響を受けます。嗅覚は食べ物の香りを通じて味を感じる重要な要素であり、味覚と嗅覚が協力して食体験を豊かにしています。嗅覚が鈍くなると、食材の香りや風味が感じられず、全体の味わいが減少します。
逆の見方をすれば、食品への賦香機能を有するフレーバー(香料)の役割の大きさは食品の製品開発において重要な役割を果たします。
1.味覚との相互作用
フレーバーは、味覚と嗅覚を組み合わせることで、食べ物の全体的な風味を豊かにします。香料が持つ独特の香りが、食材の味を引き立てたり、隠れた風味を際立たせたりします。例えば、バニラ香料が入ったデザートは、甘さを強調し、より満足感を与えます。フルーツフレーバーのセカンダリーフレーバーに使用すると甘やかな香りの演出ができます。
2.嗅覚の刺激
食べ物の香りは、食欲を刺激する重要な要素です。香料は、料理の香りを強化し、食欲を増進させる役割があります。食品に香料を使用することで、視覚的な魅力とともに香りが加わり、食事の楽しさも演出できます。
3.一貫性と安定性の提供
香料は、製品の風味を一貫して保つためにも重要です。特に加工食品では、使用される香料が風味の安定性を提供し、消費者が常に同じ味わいを楽しめるようにします。これにより、ブランドの信頼性が高まり、リピート購入につながります。
ただし、濫用は禁物です。
フレーバーの基本機能を抑えて、抑制的に使用することを強くお勧めします。
- 付香
- 香りのない食品に香りをつけます。例えば、サイダーやチューインガムなど、香りを付けることで嗜好性を高めています。
- 補香
- 香りの少ない食品に香りを補います。例えば、低果汁飲料の香りの補強や、加工工程で弱まった香りを補うために使用されます。
- 風味矯正
- 食品のもつ好ましくない香りを抑えます。例えば、魚の生臭さや野菜の青臭さなどをマスキングして、より美味しく食べやすくします。
R&Dのみなさんは勘所を抑えて開発に活かしていますか?

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