1.玄関で靴を脱ぐ
日本人が自宅に帰ると玄関で靴を脱ぐ理由はいくつかあります。清潔さの保持: 外で履いていた靴には泥やほこり、さまざまな汚れが付着しています。靴を脱ぐことで、これらの不潔なものを家の中に持ち込まず、住環境を清潔に保つことができます。
また、つま先を外、かかとを家の中に向けて履物を置くのも重要なしつけです。この置き方は、沖から船が出ていくように見えることから、「出船」と呼ばれます。昔、礼節を重んじる茶室では、武士であろうと、刀を持たず、靴も脱がなければいけませんでした。そこで、急に敵が襲ってきてもすぐに履物をはけるよう、履物を脱いだら出船のかたちに置く、という礼法が生まれたとされます。
2.帰宅したら手洗いうがい
神道においては穢れを避けることが重要とされ、手洗いやうがいは身体を清める行為として位置付けられています。また、日本は過去に様々な伝染病の流行を経験してきたため、手洗いやうがいが感染症予防の基本として広まり、学校や家庭での衛生教育にも取り入れられています。
また、日本文化では清潔感が非常に重要視されており、特に手洗いやうがいは、外から帰った際に体に付着した汚れや細菌を取り除く手段と考えられています。この習慣は健康を保つためだけでなく、周囲への配慮としても重視されています。
特に最近では、学校教育において手洗いやうがいの重要性が強調されています。特に新型コロナウイルスの影響を受け、手洗いやうがいがより一層注目され、家庭内でもこの習慣が定着しています。
3.歯磨き
日本の古代(8世紀頃)には、木の枝や植物の根を使って口を清潔に保つ習慣がありました。特に、ウコンやスギナといった自然素材が利用されていたとされています。この時期には、まだ明確な歯磨きの概念は存在せず、食事後に口をすすぐことが行われていました。
平安時代になると、貴族の間で口の清潔を保つために、香木の枝や根を使った簡単な歯磨きが行われるようになりました。この時期には、まだ歯ブラシのような専用の道具は普及していなかったと考えられています。
江戸時代(1603年~1868年)に入ると、あずきや塩、炭などを原料とした歯磨き粉が広まります。この時期には、特に塩が伝統的な素材として重要視されました。
17世紀後半から18世紀にかけて、中国から毛のついた歯ブラシが伝来しました。このハブラシは、商人や武士階級の間で人気を博し、江戸中期には一般的な習慣として広がっていきました。特に、1780年代には商業的に製造されるようになり、広く利用されるようになりました。
明治維新(1868年)以降、西洋文化の影響が急速に広がり、歯ブラシと歯磨き粉の商業化が進展しました。1870年代には、外国から輸入された西洋式の歯磨き道具が日本に登場し、一般家庭でも手軽に使用されるようになりました。また、近代歯科医療も発展し、専門家による歯の手入れが重要視されるようになりました。
昭和の初めから中頃にかけて、歯磨きが一般家庭に広まり、特に戦後の衛生教育の進展により、学校でも歯磨きの重要性が教えられるようになりました。1950年代には、歯ブラシと歯磨き粉が全国的に普及し、家庭での歯磨きが常識となりました。
以上3つ、皆さんの衛生主観に影響を与えている典型ではないでしょうか?

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小学校入学前から家庭から、そして幼稚園でも子供たちはきちんと衛生教育を受けていることを忘れずに。たまには書店に行って手に取ってみてください、侮れません。
