R&D(研究開発)は、「革新」や「技術的な優位性」を追求する部門です。その特性上、他の部門に比べて自分たちの仕事に自信を持ち過ぎ、 下記の理由から時には傲慢と見なされることがあります。
1.技術的専門知識への自信: R&Dの担当者は、高度な専門知識やスキルを持っているため、自分たちの技術的判断に強い自信を持つ傾向があります。これが、他の部門の意見を軽視する態度につながることがあります。
2.独立性の強調: R&D部門はしばしば独立したプロジェクトを担当し、自由度の高い環境で革新を追求することが求められます。このため、他の部門との連携や協力よりも、自分たちの進め方に固執することがあるかもしれません。
3.成果へのプレッシャー: R&Dは、新製品の開発や技術革新に対するプレッシャーが大きい部門です。このため、結果を出すことに集中しすぎて、他部門とのコミュニケーションや協調を軽視してしまうことがあります。
4.リソースの競争: R&Dは多くのリソース(時間、資金、人材)を必要とする部門であり、これらのリソースの確保において他部門と競争になることがあります。この競争が対立を生むこともあります。
5.新しいアイデアへの執着: R&D部門は革新を求める役割を持っているため、自分たちが開発した新しいアイデアや技術に対して強い愛着を持ちがちです。このため、自分たちのアイデアが最良だという思い込みから、他部門の意見やアプローチを尊重しないことがあります。
これが何に直接的に影響するかというと、“私たちは良いものを作っている。それなのに売れないのはマーケティングや営業が悪い。”といった驕りです。
既述の通り、お客様に買っていただける商品にはコンセプト、“Aな Bが Cなので Dできる E。 ” は、5要素でお客様に価値を提案します。ところが、売れない理由を他責にするR&D方は、意外な程に関心がありません。
提案品の説明に四の五の言ってみたところで、商品紹介や容器包装上のコミュニケーションに何ら役に立ちません。せめて、気の利いた商品名起案で“なるほど”、“面白い”、“買ってみよう”と思わせるだけの、大向こうを唸らせるものを想起してマーケティングや営業をアシストしてもらいたいものです。開発した当人こそがいろいろな良さをいろいろな方法で伝えられるな図です。
モノはあるでは無いに等しいです。その存在が認知されて、初めて存在感を持ちます。その存在感に最初に利くのが良質な商品名です。
そんな気働きができるR&Dの方は最近少ないように感じます。
因みに商品名起案の厳守事項は5つ。
1.ターゲット層との共感
- 商品名はターゲット層に響くものでなければなりません。
- 年齢や性別、嗜好に合った表現を使い、消費者が共感しやすい名前を選ぶことが大切です。
2.簡潔さと記憶しやすさ
- 短くて覚えやすい名前が重要です。
- 複雑な発音や長い名前は避け、誰でもすぐに覚えられるものが理想です。
3.独自性とブランドイメージの一致
- 他の商品と混同されないために独自性が必要です。また、商品名がブランドやのコンセプトに一致していることも大切です。
- 法的な確認や、インターネットでの使用可能性(ドメインやSNSの利用)もに確認することが大事です。
4.国際的な適合性
- 海外展開を考える場合、名前が多文化や多言語圏で不適切な意味を持たないかを確認する必要があります。
- 国内限定品でも、英訳されSNSにアップされることを想定し国際的に通用するかも考慮する必要があります。
5.法的な確認
- 商標や著作権の問題がないか徹底的に調査し、法的な制約を避けることが重要です。
開発品を我が子のように思い、愛情たっぷりに名づけまでできるR&Dの方は素晴らしいです。


マス君お勧めの1冊:まずこれを読む!
ネーミングの第一人者の本。技巧と歴史を学ぶ。
