実践! ステージゲート 1/4

製品開発

ステージゲート法を使ってプロジェクトマネジメントをするのは、以下のような関係者が関与します。

1. ゲートキーパー

プロジェクトの評価を担当する主要メンバーで、経営層や関連部門(研究開発、マーケティング、生産など)の管理職や役員が含まれます。プロジェクトの採算性や事業性を厳しく評価し、不適切なプロジェクトは中止する一方で、承認したプロジェクトには積極的な支援も行います。プロジェクトの規模や性格によって、ゲートキーパーの構成は変わります。

2. プロジェクトリーダーとメンバー

  • プロジェクトを推進する当事者です。
  • ゲートミーティングでは、プロジェクトの進捗状況と成果をプレゼンテーションし、次のステージへの移行を判断してもらいます。このプレゼンテーションは、技術的な達成度だけでなく、採算性や事業性についても説明し、プロジェクトの妥当性を示すことが重要です。
  • ゲートミーティングで進捗報告やプレゼンテーションを行います。評価後、「ゴー」と判断された場合は、次ステージ実行のための経営資源を確約されます。

3. プロセスマネジャー

  • ステージゲート全体の運営を担当し、成果物の管理やゲートミーティングの司会進行を行います。単なる事務局ではなく、手法全体の推進役として重要な役割を果たします。
  • プロセスマネジャーの配置は、特にプロジェクトが複数部門にまたがる場合、複雑なプロジェクトである場合、またはステージゲートプロセスが初めて導入される場合に非常に有効です。これらのケースでは、各ステージ間の調整やゲートレビューの準備が難しくなりがちで、リソースの競合や計画の遅延が起こりやすいからです。
  • プロセスマネジャーは、プロジェクトの進行状況を把握しながら、ゲートレビューのための資料やデータを準備し、適切なタイミングで意思決定が行われるようスケジュールを調整します。また、関係者間の連携を強化し、プロジェクトに必要なリソース(人員、予算、時間)の最適な配分を確保します。さらに、各ステージで発生するリスクや課題を早期に発見し、対応策を関係者と共有することで、問題が大きくなる前に解決する役割を果たします。
  • このように、プロセスマネジャーはプロジェクト全体の効率性を向上させるとともに、ステージゲートプロセスを効果的に運用するための重要な役割を担います。配置することで、プロジェクトがスムーズに進行し、成功率が大幅に高まることが期待されます。



ステージゲートでのゲートミーティングとは、プロジェクトが次のステージに進むべきかを評価し、意思決定を行うための会議です。このミーティングは、事前に定められた基準(ゲート基準)に基づき、プロジェクトの進行状況、成果、リスク、リソースの妥当性などを評価し、関係者間で合意を形成する重要な場となります。

Stage 0: Proposal/Request stage 提案・要求ステージ 

–気づきや発見、アイデアをビジネスに貢献する提案や要求として形式知化します。多様な個人の多様な価値観を容認する肥沃な土壌のような企業文化が肝要です。

Stage 1: Idea stage  アイデアステージ (新しい製品やサービスのアイデアを創出する段階)

  • この段階では、製品のアイデアを発案し、そのアイデアが市場で実現可能かどうかを検討します。食品業界では、新しいフレーバー、健康志向、特定の栄養成分、製法の革新など、さまざまなアイデアが生まれます。
  • その中でビジネス化できるものを選択し、商品化の根幹となるコンセプトに昇華させます。
  • 活動内容:
    • アイデア創出
    • ターゲット市場の特定
    • 市場調査(消費者ニーズ、競合分析)
    • 法規制、品質基準、コストの確認
    • コンセプト作成
  • ゲート(評価基準):
    • アイデアの市場性、革新性、ターゲット市場への適合性を評価します。
    • 基本的なコスト分析と法規制を確認します。
    • プロジェクト・チャーター作成します。
  • 目的:
    • •コンセプト調査での成功  ➡新製品が実現可能かつ市場に受け入れられる可能性があるかを初期段階で見極める。
    • •プロジェクト・チャーターの承認  ➡プロジェクト・キックオフの承認を得る

アイデアステージ後のゲートを通過させるためには、最終化されたコンセプトのもたらすビジネス価値や実現可能性を明確に示し、リスクと対応策を認識した上で、関係者の合意を得るとともに、市場分析結果と次のステップに向けた具体的な計画を提示することが重要です。

masskun

食品産業で働く現役R&D、QA実務者のサポートを願って経験共有のブログを始めました。
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因みに私は60代の食品技術者。製品開発および品質保証の仕事をしてきました。清涼飲料や流動食などの液体フォーマットが中心です。ただ、業務用食品卸売業や衛生紙製造業の企業にも勤務経験があり、多様な食品、容器包装に加え資材の経験もあります。

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