本当にわかってますか?  「安全」と「安心」

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本当にわかってますか?  「安全」と「安心」

「安全」と「安心」は、日常生活やビジネスでよく使われる言葉ですが、意味が異なります。特に食品製造に製品でのこれらの概念は重要で、消費者の視点でも企業の視点でも区別が必要です。食品を前提に説明します。

●安全

「安全」は、客観的な状態です。科学的、技術的、法的な基準に基づいて、危険やリスクがない、または最小限に抑えられている状態です。

例えば、食品の場合、適切な温度管理や衛生管理、法律で定められた基準に基づいて製造されていれば「安全」とみなされます。具体的には、次のような要素を含みます。

  • 科学的・技術的基準  : 客観的に検証可能な数値やプロセスに基づく食品の保存温度、化学物質の基準値、製造過程での衛生管理など。
  • 法的基準:食品衛生法や食品安全基準など、国や地域の法律や規制に従っている。
  • 物理的・技術的な管理: 物理的な危害(異物混入など)や化学的なリスク(有害物質の使用)を防止する具体的な手段。

●安心

「安心」は、主観的な感情や認識です。つまり、消費者や利用者が、その商品やサービスについて信頼できると感じる心理的な状態です。

  • ·信頼感: 企業や製品に対しての信頼やブランド力。長年の実績や、評判、他者からの推薦などが安心感に影響します。
  • ·情報の透明性: 製品に関する情報が適切に開示され、消費者が理解しやすい形で提供されていることも安心につながります。例えば、原材料や生産地が明確に示されていると、消費者は安心感を得やすくなります。
  • ·消費者の経験やイメージ: 過去の利用経験やメディア、口コミなどから得られる情報も安心感を高める要因となります。

「安全」であったとしても、消費者が不安や疑念を持っている場合は「安心」となり得ません。

マス君お勧めの1冊:まずこれを読む!

安心できる安全のための本

タイトル通り、安全と安心を考える良書。。

masskun

食品産業で働く現役R&D、QA実務者のサポートを願って経験共有のブログを始めました。
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因みに私は60代の食品技術者。製品開発および品質保証の仕事をしてきました。清涼飲料や流動食などの液体フォーマットが中心です。ただ、業務用食品卸売業や衛生紙製造業の企業にも勤務経験があり、多様な食品、容器包装に加え資材の経験もあります。

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