兎に角、原因物を工場内に入れないことです。
1.供給業者への指導と協力
- サプライヤーへの衛生管理指導: サプライヤーには、搬入物の衛生管理や包装状態を確認し、異物が付着しないようにするよう指導します。サプライヤーと定期的に協力して、工場に搬入される物品の品質管理を徹底します。
- 包装材の品質向上: サプライヤーに対して、包装材や梱包方法についても指導を行い、異物が工場に入らないようにするための対策を徹底してもらいます。
2.搬入物のトレーサビリティの確保
- 搬入物の記録: すべての搬入物について、どのサプライヤーから、どのタイミングで、どのような状態で搬入されたのかを記録し、トレーサビリティを確保します。これにより、異物が発生した場合に、その物品のルートを追跡できるようにします。
- 搬入検査記録の保存: 搬入物の衛生検査結果を記録として保存し、必要に応じて振り返ることができるようにします。
3.搬入エリアの清潔管理
- 専用搬入エリアの設置: 工場内の搬入専用エリアを設け、そのエリアで搬入物をチェックし、清掃するようにします。このエリアは異物混入を防ぐために清潔に保ち、ほかの作業エリアと区別します。
- 定期的な清掃: 搬入エリアは日々定期的に清掃・消毒を行い、異物が蓄積しないようにします。また、搬入物の清掃を行う際は、専用の道具や消毒剤を使って異物のリスクを低減させます。
- 防虫・防鼠設備の適切な配置と管理: 施設の出入り口や搬入口には、虫や小動物の侵入を防ぐため、エアカーテンと二重扉を設置します。建物の外周には粘着式トラップや殺虫灯を配置し、定期的な点検・清掃を実施します。殺虫灯は食品エリアから離して設置し、捕獲した虫の混入を防ぎます。扉や壁の隙間にはブラシやシールを取り付け、小動物の侵入を防止します。これらの設備は定期的に効果をモニタリングし、必要に応じて補修します。
4.搬入物の事前チェック
- 外装確認: 搬入される物品の外装(パレット、段ボール、袋など)が汚れていないか、破損していないか、異物が付着していないかを目視で確認します。汚れが確認された場合は、その物品を受け入れない、または清掃してから受け入れるようにします。
- パレットや梱包材の衛生チェック: 特に木製パレット、麻袋のような布製の袋は異物が付着しやすいため、これらについては注意深く確認します。必要に応じて別の材質に変更することも検討します。
- 段ボールや木製パレット工場内使用禁止:製品製造エリアへの段ボールや木製パレットの持ち込みを原則禁止とし、搬入口で衛生的なプラスチックパレットやコンテナに積み替えを行います。これは、段ボールが水分を含むと劣化して紙片が発生するリスクがあり、木製パレットからは木片や釘の脱落、また両者とも害虫の潜伏場所となる可能性があるためです。必要な場合は、製造エリア専用の洗浄可能な樹脂製パレットやステンレス台車を使用します。これらの積み替え作業は、製造エリアと区分された専用の場所で実施します。
5.搬入・出荷車両の管理
- 車両到着時の異物チェック: 荷台や車体が著しく汚れていないこと、昆虫の付着が無いことを確認します。問題があれば搬入品の受領拒否する、或いは出荷用車両の交換を求めます。
6.外装の洗浄・消毒
- エアブローは原則不使用。
- 再付着リスク: エアブローで異物を吹き飛ばす際、吹き飛ばした異物が周囲の表面や製品に再付着する可能性があります。特に異物が細かい場合(例えば埃や微小な破片)や湿気がある場合、再付着が起こりやすくなります。
- 気流による影響: エアブローが強い風を使うため、工場内の他の物品や表面に異物を飛ばす可能性もあります。これにより、工場内の清潔環境が保たれにくくなります
- 湿式清掃: エアブローの代わりに、洗剤を使った湿式清掃や消毒を行うことで、異物をより確実に除去することができます。水での洗浄や、消毒液を使用して外装を拭き取ることで、異物の再付着を防ぐことができます。
- 洗浄設備の導入: 搬入物が汚れている場合に備え、専用の洗浄設備(例えば、パレット洗浄機や袋洗浄機)を導入し、徹底洗浄します。
7.従業員教育
- 搬入作業者の教育: 搬入作業に関与する従業員には、搬入物の異物チェックや衛生管理の重要性を教育し、常に適切に作業を行うように指導します。従業員が異物混入防止の意識を高く持つことが、工場全体の衛生管理向上に繋がります。
以上の施策を徹底することで、異物が搬入物に付着して工場内に入るリスクを大幅に低減させることができます。異物混入を防ぐためには、搬入前の管理や清掃が最も重要であり、日々の衛生管理が欠かせません。

