監査はシステム全体の管理や運営が適切に行われているかを長期的な視点で確認し、改善点を見つけ出すことが目的です。一方、検査は具体的な製品や設備の安全性や品質を確認し、即時の対応が求められる問題を見つけることが主な目的です。
監査と検査は、それぞれ目的が違うため、適切に使い分けることが大切です。
監査は、食品安全システム全体がきちんと機能しているかどうかを確認するために使います。システムが計画通りに動いているか、法規制や社内ルールに従っているかを調べるのが監査の目的です。監査は通常、定期的に行いますが、新しいシステムを導入したり、重要な変更があった場合に特に有効です。また、外部の認証機関からの評価を受ける前にも実施することが多いです。
検査は、具体的な製品や設備が安全基準や品質基準を満たしているかを直接確認するために行います。たとえば、製造ラインで作られた製品が正しく作られているかや、設備が清潔に保たれているかをチェックします。検査は、製造の各段階や製品が出荷される前に頻繁に行うことが多いです。また、品質に問題が出た場合、その原因を特定するためにもすぐに検査を行います。
監査を車のメンテナンスに例えると、定期点検や車検のようなものです。例えば、「車の整備記録が正しく保管されているか」「タイヤ交換やオイル交換が計画通りに行われているか」など、車全体が適切にメンテナンスされているかを確認するのが監査です。これは車が安全に運転できるように、日々の管理やメンテナンスの方法が正しく行われているかをチェックするためのものです。
しかし、もし運転中に車から異音が聞こえた場合、その場ですぐに必要なのは、整備記録を確認すること(=監査)ではありません。そういうときは、エンジンやタイヤなど、具体的な部品に異常がないかを直接確認すること(=検査)が必要です。異常の原因がどこにあるのかを調べ、すぐに修理や対応をすることで、その問題を解決できるからです。このように、日常的な運営や管理が適切に行われているかを確認するのが監査ですが、問題が発生したときは、具体的な状況や原因をすぐに確認する検査が適切です。
使い分け、出来ていますか?



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