日本人に向くアイデア創出技法

品質保証

lアイデア創出技法でよく用いられるのが、ブレインストーミングです。

ブレインストーミングは次の手順で進められます。

1.準備

  • テーマを設定します(例:「新しい商品のアイデア」)。
  • ポストイットとペンを参加者全員に配布します。

2.アイデア出し

  • 各参加者がテーマに沿ったアイデアを1枚のポストイットに1つずつ記入します。
  • 制限時間を設けて、多くのアイデアを出すよう促します(例:5~10分)。

3.共有

  • 書き終えたポストイットをポスト・イット イーゼルパッドや模造紙に貼り付けます。
  • 1人ずつ説明しながら貼るか、全員が一斉に貼る形式でも可能です。

4.グルーピング

  • 貼られたポストイットを全員で見ながら、似たアイデアや関連する意見をグループ化します。
  • ラベルを付けて分類するとさらに明確になります。

5.優先順位付け

  • 各参加者が重要だと思うアイデアにタックシールを使って投票します。
  • 得票数の多いアイデアを中心に議論を深めます

ブレインストーミングは口頭で進行し、議論が活発になることが期待されます。ところで、ブレインストーミングには次のような長所と短所があります。

長所

  1. 発言の自由度が高い: 参加者がその場で思いついたアイデアを即座に共有でき、ダイナミックな議論が展開されます。
  2. アイデアの発展: 他者の意見に触発され、新しいアイデアが生まれやすいとされます。
  3. 迅速性: 制限時間内に多くのアイデアを収集できるため、短時間で効率的です。

短所

  1. 参加者の偏り: 声の大きい人や意見を強く主張する人に引っ張られ、他の参加者が意見を言いにくくなる場合があります。影響力のある方、声が大きい方、役職上の上席者が参加する場合により顕著です。
  2. 批判の抑制が難しい: ルール上批判は禁止ですが、実際には批判や評価が議論に紛れることがあります。
  3. 集中しにくい環境: 活発な議論が逆に雑音となり、一部の人が集中力を欠くこともあります。

l経験的にはブレインストーミングは短所の方が日本人には顕著に表れやすく不向きに感じられます。そこには 日本の文化的背景が大きく影響しています。

  1. 発言の抑制: 日本では謙遜や調和を重視する文化が根付いており、個人が自由に発言する場面で遠慮が働きがちです。これがブレインストーミングの「自由な発想」という特性と相いれません。
  2. 批判への懸念: ブレインストーミングでは批判禁止がルールですが、文化的に他者の評価を意識する傾向が強いため、参加者は意見を出し難くなりがちです。

ブレインストーミングの短所を克服するには、技量のある、ある意味プロのファシリテーターの参加が望ましいです。その場をリードし、参加者全員に均等に発言機会を与えることで、静かな人も意見を言いやすくなります。ただ、欧米ではそういう方のおかげで円滑に効果的運営されたブレインストーミングを経験したことはありますが、日本ではまずありません。

その点、ブレインライティングという発言せずにアイデアを記入する方法は、日本人の特性に合い、発言への心理的障壁を取り除きます。エクセルを使ったブレインライティングの進め方

1.テンプレート準備

  • エクセルで以下のような構造のテンプレートを作成します。
  • 行: アイデア番号やラウンド番号(例:ラウンド1、ラウンド2)。
  • 列: 参加者名または参加者番号を記入。
  • 各セルに1つのアイデアを記入するスペースを確保します。
  • エクセルはアイデアを効率的に収集・整理できるため、特にリモート環境で有効です。
  • 事前に簡単な操作説明を加えるとスムーズに進行します。

•2.テーマ設定

  • ブレインライティングの課題や目標をシート上に明記(例:新商品の特徴アイデア)。

•3.参加者にテンプレートを共有

  • テンプレートをメールやシェアポイント、クラウドサービスで全員に配布する。

4.アイデア記入(ラウンド1

  • アイデア起案者が最初に自分のアイデアを記入する。記入したら完了したことを次の記入者に連絡。
  • 次の記入者は自分のアイデアを自分の欄に記入する。自分よりも前の記入者のアイデアの改良は同じ行に記入する。新たなアイデアは行を適切な場所に挿入して記入しします。
  • 記入後は同じように次の記入者に連絡します、
  • 一つのファイルをメールで転送することで共有する、或いは記入順をあらかじめ指定シェアポイントやクラウドサービス上で参加者全員が同じものを共有して進めることが重要です。

5.テンプレートの回収または交換(ラウンド2以降)

  • ラウンド1終了後、起案者はラウンド2以降の期待をコメントし、同じように愛でを追加してもらいます。
  • 複数回繰り返す(通常3~4ラウンド)。
  • ラウンド2以降はチームビルディング要素を含みます。

6.集計と整理

  • 回収したテンプレートを統合し、重複を整理。
  • エクセルのフィルター機能や条件付き書式を使い、アイデアを分類・グループ化。

7.優先順位付け

  • 各アイデアに対して参加者が投票したり、コメント欄を活用して意見を記入します。
  • ブレインライティングは静かに進めるため、全員が平等に意見を出しやすいとされます。

長所

  • 平等性: 発言力に左右されず、全員が同じ条件で意見を出せます。
  • 深い考察が可能: 静かな環境で一人ひとりがアイデアを熟考できるため、質の高い意見が生まれやすいとされます。
  • 多数のアイデア: 他者の意見を参考に発展させる形式で、幅広い視点が得られます。

短所

  • 時間がかかる: 各ラウンドを進めるのに時間が必要で、短時間で完結させるのが難しくなります。
  • リアルタイムの交流が少ない: 対話的な刺激が少なく、即興性やエネルギーが低下しがちです。
  • 制約の影響: 用紙やデジタルツールに書き込むスペースや構成が制約となり、発想が限られる場合があります。

参加者の特長、目的、状況などに応じて使い分けるのが理想的です。

ブレインライティングに使用するテンプレートです。メールで使い方が分からなければ質問してください。

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